歯石除去はちゃんと”獣医師”にしてもらってね(できれば麻酔下で)

歯磨きしてる犬 ひとりごと
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みなさんのわんこは歯磨きをちゃんとしていますか?

パピーの頃は真っ白で歯石なんかまったくない綺麗だった歯も乳歯が抜けて永久歯になって気が付けば歯石が・・・なんてことも。わんこの歯石は歯磨きをしないと3~5日で出来てしまうそうです。歯磨きをしていても歯石ゼロは無理オブ無理なのではと個人的に思っています(人間だって毎日歯磨きしてても定期的に歯石とりのクリーニングに歯科医院に行きますよね?)のでわんこも人間同様に定期的に歯石除去して歯周病予防に努めるべきだと私は思っています。

ブラックライト
歯石はブラックライトで照らすとピンクに光ります

さて、我が家のぱちぱふですが、お恥ずかしながらまともな歯磨きを5歳くらいまでしておらず歯石がついてしまい、お口のにおいがだんだんひどくなってきたので意を決して行きつけの動物病院の歯科を得意とする獣医師に麻酔下で歯石除去してもらい、それ以降は歯磨きもきちんとしてさらに1年半~2年に1度定期的に麻酔下で獣医師に歯石除去をお願いしています。

歯石除去に麻酔わざわざしなくちゃいけないの?
麻酔って危険じゃない?
トリミングサロンとかで出張無麻酔歯石除去とかやってるからそれでよくない?

気持ちはとてもよくわかります。私もそう思っていたので・・・
が!!!!!
以下の理由により、わんこの歯石除去は獣医師に可能であれば麻酔下でしてもらうべきなのです。

獣医師以外が歯石除去すると違法?

アメリカやカナダでは獣医師免許のないものが歯科処置をすることは法で禁じられ、罰則が科せられますが、今の日本の法律では獣医師以外が歯石除去をしても違法とはならないようです(2023年9月現在、どうやら日本の法律でも獣医師以外が歯石除去した場合は違法になるようです。獣医師以外が歯石除去をしているのを発見した場合は農水省や環境省に通報案件だそうです)。歯石除去中に口の中をケガしてしまったり、抑えたときにあごの骨を折ってしまったりした場合、診察と治療が必要になり、獣医師以外が処置をすることは獣医師法に抵触する可能性が高いです。
たまたまケガすることもなく歯石除去ができたから獣医師がいなくても大丈夫だった。
私はそんな「運」に自分の愛犬をゆだねることはできません。

全身麻酔ってそんなに危険なの?

全身麻酔と聞くと頭によぎるのは「危険」とか「万が一」とかいうネガティブな言葉たち。ぱちぱふは避妊・去勢手術の他、骨折やパテラ、レッグペルテスなど今までに何度も全身麻酔をしています。そのたびに獣医師から全身麻酔での死亡確率をされます(ゼロではないですからね)。

全身麻酔による死亡確率は0.05%程度と説明をされますが、ネットで調べると説明されるのと同じ0.05%と書いてあったり高めの数字を出しているところは0.1~0.5%と書いてあります。どちらにせよ極めて低い数字だと思いますがやはりゼロではないので心配は心配です。この数字がどのくらいあり得ることかというと一番高い数字の0.5%だと台風で罹災する確率と同じだそうです(例えわかりずら。笑)。ちなみに火災で罹災する確率は1.9%、死傷する確率は0.24%、交通事故で負傷する確率は24%、死亡する確率は0.20%だそうです。

私も進んで全身麻酔をかけたいとは思いませんがそれでもむやみやたらに怖がって避けるほど危険なわけではないのかなと思っています。

お口のレントゲンは必須!

歯のレントゲン
ぱふの前歯のレントゲン

人間も初めての歯科医院に行くとすべての歯を写したレントゲンを撮って現在の歯と歯を支えている歯槽骨の状態がどうなっているか確認してから治療なりクリーニングなりをしますよね。わんこだって一緒です。歯と歯槽骨の状態をきちんとレントゲンで確認して埋まっている歯がないかとか歯槽骨が解け始めてないかとかチェックする必要があります。

すべての歯のレントゲンを撮るには14~16枚程度撮らないといけません。歯のレントゲンを撮るためには麻酔をかけて鎮静下でないとわんこが動いてしまうので無理ですよね。お口も大きくあけないとレントゲンは取れません。レントゲンを撮って獣医師にきちんと評価してもらうことに越したことはないですよね。

ちなみに、ぱふは普通のわんこよりも数本歯が少ないことがわかったのですが、レントゲンを撮ったことで埋伏歯(埋まっている歯)はないことを確認しました。

歯肉縁下をクリーニングできなかったら意味ない!

これも人間と一緒で歯と歯茎の間(歯肉縁下)をクリーニングすることはとても大切です。(人間用の)歯ブラシのCMでもいかに歯と歯茎の隙間にリーチできるかをアピってますよね!歯周病予防にはそこをきれいにすることはとても重要なのです。無麻酔で除去できる歯石はあくまでも見た目がきれいになるだけの審美目的なものになり、歯周病予防などの観点から言うと意味がありません。

歯肉縁下をクリーニングするにはやはり麻酔で鎮静してからじゃないと難しいです。歯の裏側も無麻酔ではクリーニングすることはできません。また無麻酔歯石除去をやっているサロンなどが使用するハンドスケーラーだけではなく超音波スケーラー(人間の歯のクリーニングの時に使うのと同じタイプ)なので常に音もします。振動もあります。お水もでます。お水と取れた歯石を吸うバキュームも使います。わんこに怖い思いや不快な思いをさせないためにも麻酔で鎮静して寝ている間に終わらせてあげたいものです。

歯石取った後はポリッシング(研磨)しないと歯石つきやすくなる!

歯石を取った後は表面に細かい傷がついた状態になるのでそのままにしておくと歯石が付きやすくなります。そうならないために歯石を取った後は研磨剤を使って磨きます。人間の歯のクリーニングでも歯石を取った後研磨剤を使って研磨しますよね~。スケーリング同様にポリッシングも麻酔下でやらないと磨ける範囲はとても限られてしまいます。ポリッシングまで含めると長時間になるので無麻酔で起きていたらわんこも疲れますよね・・・

口の中を隅々まで見られるので小さな異常を発見できる!

ぱちの舌
ぱちの舌にできたデキモノ

麻酔で鎮静しているので獣医師がお口の中を心置きなく隅々まで見ることができるので普段の診察や生活では見つけることが出来ないちょっとした異常を発見することができます。

これは実際にぱちに起きた出来事なのですが、麻酔下で歯石除去してもらっている時に獣医師が舌の根元近くにできもの(写真)を発見したらしく施術中に切除していいか、生検に出すかの確認の電話がかかってきました。獣医師のみたてでは悪いものではないと思うとのことでしたが折角なので切除してもらい(溶ける糸で縫いました)取ったものは生検に出して顆粒細胞腫が一番可能性高いという結果になりました。わんこの舌に好発するものらしく獣医師のみたて通り悪いものではありませんでした。
毎日歯磨きをしているので口の中はよく見ているのですが、さすがに舌をこんなに伸ばさないと見えない場所にできているデキモノは気が付きませんでした。

今回はたまたま悪いものではなかったので良かったと思いますが、想像してみてください。万が一にも悪いもので、麻酔下で歯石除去せず、知らないうちにどんどん進行し、愛犬自体に異変がでたことでやっと気が付いた頃にはかなり進行していて手遅れだったとか・・・こんなところは麻酔かけた状態じゃなかったら絶対気が付かないです!

まとめ

日本獣医学会日本小動物歯科研究会でも無麻酔歯石除去は推奨しておりません。麻酔をどうしてもかけられない状態なのであればそれは仕方ないと思いますが、むやみやたらに麻酔を怖がらず、麻酔下で行う歯石除去で受けられる恩恵に目を向けてみてほしいです。もし麻酔をどうしてもかけられない状態なのであれば、せめて歯石除去はドッグサロンなどのなんちゃらハイジニストにしてもらわずに無麻酔歯石除去をしている動物病院できちんと獣医師にしてもらってください。

口腔衛生がいいとわんこの寿命が2~3年違うという話も聞きます。歯石除去をしたら毎日歯磨きがんばりましょう!歯磨きについてはまた別に書きます。

ぱちぱふ主<br>めぐ
ぱちぱふ主
めぐ

歯石除去は麻酔下でちゃんと”獣医師”にしてもらってね

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